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701系クハおでこ譲渡までの記録 完結編

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701系クハおでこ譲渡までの記録 前編
701系クハおでこ譲渡までの記録 中編のつづき


自宅の置き場所を確保しても湧かない実感は
これから起こる事がいかに非日常な事であるかを示します。
何度も測量し、現地で自らメジャーを持って測ったのにも関わらず、
不安と興奮の疑問符、頭の中で情報を処理できず夢遊していました。


11月5日に現地にて実施した事前打ち合わせ、その2日後の7日には解体が開始。
進行具合と概況の連絡をいただけると了承いただいたのですが
鳴った電話からは「切れないかも…」という不安な声。
全て準備段階で整いつつある現状、100kmという距離が本当にもどかしい。
どうにか、なんとしてでも、絶対に、なんとかしないと。


てんやわんやの末 東村山駅前からトラックに乗り込んだのは23時、三島には明けて2時到着。


天候だけはそれこそ天にすがるような心持ちであったのを思い出します。
電車自体の解体搬出は雨天決行の旨を聞いていたので、何が何でもその日がリミット。
明けてみれば杞憂でした。ようやく富士山を見る事が出来て幸先がいいものです。


遠足を前日に控えて眠れないのは小学生まで。
電車イベントを前日に控えて眠れないのは本年3回目。
伊豆箱根鉄道様、おはようございます。何度目でしょうか、お邪魔します。
今日はちょっと特別ですね。


当日まで「切る事できました!」という旨の連絡は無く、
この時点で結果は分からずの状況。
正直、心持ちとしては今すぐにでも駆け出して結果を知りたかったのですが
グッと気持ちをセーブして、バレバレですが平常心を装いました。
元新101系が目の前にいるこんな異次元も視界に入っていません。


そして、掴み取った結果と対面できた瞬間。
最初はカットされず、そのままの状態で切り落とされていました。


ここからの数時間は何が何やら。
ドアを運んで、手すりを運んで、おでこを運んで…
全てが私の為の、濃すぎる非日常。


”今あのクレーンに吊られている電車の一部は廃品ではなくて自分の為にカットされたもの”
こんな呪文を頭の中で数回ほど反芻。
常識を遥かに超えた光景と、これから起こるであろう帰京からのすぐ先の未来、
これらを思い描くだけですが、勿論言葉が出てきません。


嬉しいと言うよりも、何がなんだか訳が分からないというのが正直なところでした。
その場では勿論ただ感謝する以外にありませんでした。


輪切りにされる光景もネットで見かけることはありましたが
まさかこんなにも至近距離で見ることが出来ようとは。


この日の午後に搬出となりました。
業者さんの話では、このまま粗方の大きさにカットした後
裁断機に入れて鉄屑に、そして再利用…という流れだそうです。
私、その場にいたら倒れちゃいますね、なんて笑い話を交えつつ。


しかし…いざ目の前にあっても、なかなか何も出来ないものですね。


丁重に丁重にお礼を申し上げまして帰京。
同行のKUSUさんは所用の為、三島から新幹線で東京へ。


三島駅から東村山まで、どことなく不安な一人の帰り道が始まります。
段差が心臓に悪い。


東名高速をひた走り、途中のSAで車に戻るときの見付けやすさに感心しつつ
環七では小田急線と顔を合わせたりして。
地元に戻ってくると陽が暮れる頃となりました。


東村山では愉快な仲間お二人様にお手伝いいただきまして、
下らない記念撮影と我が家への搬入。
一度家に入れてしまうと再び持ち出すのは至難の業。
これだけは撮っておきたかったのでクハ1150と。
ちなみに、計算違いもいいところでエレベーターに積載できず…
えっちらおっちらと階段で運んだのでした。

譲渡頂いたもの、まとめ
・クハ2005号車(元西武クハ1784号車)おでこ回り一式
・客用ドア左右2枚セット
・クハ2005号車・クモハ1009号車、乗務員扉脇手すり、合計4本
・クハ2005号車。クモハ1009号車、前面窓センターピラー
・クモハ1009号車前面窓Hゴム1周

東京都東村山市内 室内にて大切に保管中。(一部は譲渡済み)
お世話になりました伊豆箱根鉄道様と業者のエコネコル様には重ねての御礼を。
私の趣味活動の中で一味違った”形に残る”思い出となりました。


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